ロイズ 20年決算報告 コロナ支払いはグロス62億ポンドに、9億ポンドの損失を計上
 ロイズは3月31日、2020年決算を発表し、34億ポンド(5100億円、1ポンド=150円換算)に上る新型コロナウイルス(COVID―19)に係る正味発生保険金により、回収再保険金控除後で9億ポンド(1350億円)の損失を計上したと公表した。19年は25億ポンド(3750億円)の利益を計上していた。

 ロイズでは、20年を通じて新型コロナウイルスパンデミックの影響を受けた世界各地の顧客に重要な支援を提供したとしており、グロスベースでの支払保険金は62億ポンド(9300億円)に達すると予測している(うち26億ポンド〈3900億円〉は再保険によって回収予定)。新型コロナウイルス支払保険金によってロイズのコンバインド・レシオは13.3%悪化し、110.3%となった。
 なお、過去3年間の持続的な業績改善行動の結果、新型コロナウイルスに係る損失を除外した引受利益は19億ポンド(2850億円)と改善し、コンバインド・レシオも7.5%改善して97.0%となったという(18年は104.5%、19年は102.1%)。
 20年の料率上昇率は10.8%となり、この上昇傾向は21年第1四半期も持続している。
 ロイズは強固な資本・ソルベンシー基盤を維持しており、正味資産は20年に339億ポンド(5兆850億円)に達し、中央およびロイズ・マーケット全体のソルベンシー比率は、それぞれ209%と147%になった。
 新型コロナウイルスに係る損失を除外すれば、ロイズ・マーケットは8億ポンド(1200億円)の保険引受利益を計上しており、これはロイズにおける基調となる業績の大幅な改善を示している。このことは基調となるコンバインド・レシオ(基調となる損害率+経費率+前年度準備金取り崩し)が7.8%改善して、87.3%まで低下している事実を見ても明らかとしている。
 総収入保険料は355億ポンド(5兆3250億円)と、前年同期比で1.2%の減収となっている。20年を通じて料率上昇トレンドの加速がけん引した例外的な市場環境の中で、ロイズの継続契約に適用されたリスク調整後料率は平均で10.8%上昇した。ただし、この料率上昇は、20年の業績が低迷しているビジネスへの対応策の実施に伴う12.0%に上る総収入保険料の減少によって相殺された。これは継続・新規契約を問わずビジネスのクオリティを常に重視するロイズの方針を反映したとしている。
 20年の経費率は1.5%改善して37.2%(19年実績:38.7%)となった。「Future at Lloyd’s Blueprint Two」によるソリューションと実施プログラムは、契約取得費・管理費の圧縮において中心的役割を担っており、経費率は依然として最重要分野の一つとなっている。
 正味運用収益は23億ポンド(3450億円)で、運用収益率は2.9%だった。
 ロイズの正味資産は20年に10.8%増加し、20年12月30日時点で339億ポンドに達し(19年実績:306億ポンド〈4兆5900億円〉)、同時に中央ソルベンシー比率は209%(19年実績:238%)となっておりロイズのバランスシートの優れた堅実性を裏付けている。
 最高経営責任者ジョン・ニール氏は「かつてない規模の世界的な健康・医療危機に見舞われた極度に困難な1年を終え、ロイズでは総額62億ポンドが見込まれる新型コロナウイルス支払保険金により、顧客への支援を継続した。加えて20年は自然災害が頻発すると同時に、英国の正式なEU離脱の年でもあり、損失が膨らむ一方で不確実性も高まった」「このような前例のない状況の中でロイズは業績、デジタル化、企業文化の各分野にわたり大きく前進した。規律あるアンダーライティングと、世界最先端の保険市場の実現に向けた決意は、ロイズ・マーケットの成長を助ける料率水準―依然として上昇を続けるこの4年で初めてとなる―を伴い、今年のロイズを真の成功に導くものと確信している」とコメントした。(保険料、保険金、運用収益は20年中の期中平均為替レート〈1ポンド=1.28ドル、1ポンド=1.13ユーロ〉で換算)